「単純ヘルペスかな…」と思ったら気を付けることについて

「単純ヘルペス」は、基本的に症状としては重くない感染症です。かぶれなど他の皮膚病と勘違いしたり、症状を軽く考えて自己判断で対処したりする場合も多くあるようです。しかし、それはいろいろなリスクを高める間違った対処法で、危険をともないます。

なぜなら、「単純ヘルペス」は症状が出ている時に、「単純ヘルペスウイルス」が体内の神経細胞で増殖するからです。結果的に体内のウイルスの総量が増えることになり、症状が出ている際に長引くリスクや、再発のリスクが増えることになります。

また、「単純ヘルペス」は重症化することもあります。

例えば、アトピー性皮膚炎など皮膚のバリア機能が正常に働いていない状態にある人などは、「単純ヘルペス」の症状が重く出るだけでなく、「カポジ水痘様発疹症」という水泡が広がりただれた状態が広範囲に広がる症状に変わる危険もあります。その場合、入院をして治療することもあるようです。

さらに、妊娠・出産を考えている人は、胎児への影響などを考える必要があることも忘れてはいけません。胎児への影響とは具体的に言うと、治療のために使用する抗ウイルス薬の影響や、胎児への胎内感染、出産時の産道感染などです。

本人の症状が軽いからと言って、ウイルス自体の力が弱いわけではありません。胎児への影響については十分に注意する必要があるため、婦人科の担当医師に必ず相談しましょう。

「ピリピリ」「ムズムズ」といった予兆を感じたら、すぐに皮膚科をはじめとした専門医の診断を受けて、適切に治療することが大切です。

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